ホップの代わりにミカンの皮で爽快な風味を演出したフルーツサワーエール!
【飲んでみた感想】
香りは蜜柑の皮。飲むと強めの酸味と、コーンフレークのような香ばしい麦の風味。色合いも美しいです。苦みはほぼなく、炭酸強め、ゴクゴクいける爽快なサワーです。
【ブルワリーより】
これまで私たちは一部のコラボの機会をのぞき、フルーツやハーブ、スパイスを使用したビール作りに対してあまり乗り気ではありませんでした。これは私たちがフルーツビールを好きじゃないからというのではなく、日本や世界の多くのビールにおけるフルーツの使い方にあまり惹かれなかったというのが理由です。
詳しく説明するとすれば、フルーツが本来持つ酸味や甘みが、ビールの発酵後のpH値や糖類の構成と喧嘩し合い、あるべきバランスを壊してしまうのではないかと思っていて、むしろフルーツを入れない場合の方が良いビールになるんじゃないかという疑問を持ち続けています。しかしこの考えはサワー系ビールにおいてまるっきり異なります。というのはサワービールの低いpH値がフルーツを投入することで発酵後に残る糖類でうまくバランスがとられるだけでなく、フルーツやハーブの本来の風味を絶妙に引き立たせることが出来るのです。そういうこともあり、基本的にフルーツ使いに慎重な私たちですが昨年初めてフルーツサワーに取り組みました。
これまで度々取り組んできたサワー製法ですが、原料の選定の結果このビールに選んだのはミカンの皮とハイビスカスです。これはカリブ海にルーツがある飲み物 “Agua de Jamaica”(呼び方は諸説あり)から着想を得ました。ハイビスカスの花を浸漬することで摘出された美しい色合いと爽やかなベリー系のような風味をもつこの飲み物は今回のサワーのイメージに合うものでした。乾燥させたハイビスカスの花は自然な酸味をもち、血圧を下げたり免疫を高めたりと様々な健康増進効果も期待できることから現地ではジャムや茶葉としても使われているそうです。そして今回のビールにおいてビタリングホップの代わりとして使ったミカンの皮はビールにほのかな苦みを与えるとともにフルーツ感をしっかりと支える風味として重要な役割をしています。「夕焼けの雫」の爽やかな色味と瑞々しい味わいは温度と湿度が上がり始めるこの季節にうってつけのサワーといえるのではないでしょうか。
名前の由来: このビールのレシピはカリブ海地域の飲み物からインスピレーションを得たものです。この地域のほかの飲み物の名前を面白がって調べてみたところ「スカイジュース」というものがヒットしました。
国によってその地域の人々はレシピを大胆に変えていて、ココナッツウォーター、粉末ジュース、サトウキビなどが使われていたようです。KBCでは、ハイビスカスがビールにもたらしたすぱらしいピンク系の色合いがカリブ海の日没を思い出させたので「夕焼けの雫」がぴったりだ思いました。
モルト:Pilsner, Wheat
その他:ハイビスカス、ミカンの皮
ホップ:ビタリング - なし(代わりにミカンの皮使用)
味・アロマ - なし
酵母:American Ale/Belgian Ale Blend
アルコール:4.5%
IBU(苦さの基準):0
untappd:
種類:サワーエール
容量:330ml
生産地:日本 京都府京都市