「とりあえず、ビール!」

例えば会社の飲み会で、合コンで、プライベートの飲みで・・。日本ではいつの間にか「とりあえずビール」文化が定着してしまいました。その結果、「ビールってこんなものだ」「あんまり味が好きではない」「率先してビールを飲もうと思わない」と感じる人が増えてしまったように思います。この言葉、イヤってほど聞きませんか? これは消費者にとっても、ビール業界にとっても、実はとても不幸なこと。近年減り続けているビールの消費量は、この文化への一つの警告の表れなんじゃないか、とも思います。 
 

「とりあえず、ビール!」を超えよう

  
今、こんな流れを何とかしよう、ホンモノのビール文化を創り広げよう、とアツい情熱を持った小規模醸造所が増えています。彼らが創る独特のビールたちは「クラフトビール」と呼ばれ、近年少しずつ認知されつつあります。私が「一期一会〜る」を開店しようと思ったきっかけは、とってもシンプル。
 

素晴らしく、奥深いビールの世界をみなさんに知って欲しいと思ったから


です。刺激的で独特、それでいて抜群にウマいビールを日々真剣につくっている醸造家さんたちの思いが浸透し、「とりあえずビール」を乗り越えられたとき、日本でも真のビール文化が根付くと思っています。そんな状況を夢見て(妄想して?)微力ながら貢献していきたいと考えています。
 
そして何より、私自身もビールを愛する、1人のビール好き。これまでに何百もの銘柄を飲んできました。その経験から、「このビールなら間違いない!」と自信をもってオススメできるものをしっかり見極め、ご紹介していきたいと思います。
 

とりわけ、あなたに「エール」を贈りたい

 
さて、少し話は変わりますが、皆さんは「ビール」と聞いてどんなイメージを持ちますか?「キンキンに冷えたのが美味しい」「ゴクゴク飲むもの」「夏の暑いときに美味しい」「のど越しが良くて爽快」「何はともあれ、最初の一杯でしょ!」・・・とまあ、大体こういうのが一般的だと思います。
 
これは実は半分正解で、半分不正解です。何故なら、ビールというものは大きく2種類に分けられるから。1つは先に挙げたような特徴を持つ「ラガービール(下面発酵ビール)」です。そしてもう1つが、先に挙げた特徴ではない個性を持つ「エールビール(上面発酵ビール)」です。お店の名前「一期一会〜る」にもなっている通り当店が強く推したいのが、一般的なビール(=ラガー)ではない個性を持つ「エールビール」です。
 
エールビールの特徴は何といっても豊かな香り。主な材料はラガーと同じ「麦芽」「ホップ」「酵母」なのに、なぜだかオレンジやレモン、グレープフルーツ、ライチ、パインなどの香りがする。とっても不思議な体験ができるはずです。温度が高いところで活動する「上面発酵酵母」の働きが豊かな香りを演出します。エールビールの中には「13〜15度のぬるめで美味しい」「チビチビゆっくり楽しむ」「冬の寒いときこそ美味しい」「濃厚で豊かな味わい」「スイーツと一緒に飲んでおいしいもの」など、皆さんが一般的にビールに持つイメージとはかけ離れたものが数多くあります。本当に個性的で、華やか。当店は、この「エールビール」の専門店として、皆さんにエールの魅力を知って欲しいな、と思っています。
 

突然の出会いから始まるビールとの縁

 
最後に、私とエールビールの出会いをご紹介します。今から10年ほど前、私は当時横浜に住んでいました。その頃、伊勢佐木町(ゆずが路上ライブしていたとこですね)に行きつけにしていたイタリアンバーがありました。ある日、そのお店に一緒に行った後輩から勧められ一本のビールと出会いました。それが「シメイレッド」。ベルギーのビールで、トラピスト(詳しくはこちら)という種類のエールビールです。一口飲んで、衝撃を覚えました。とても香りが豊かで、カラメルのような麦の甘みと、紹興酒や赤ワインかと思うほどの複雑な味わい。それまで「とりあえず」で飲んでいた私のビールへの概念がガラガラと音を立てて崩れた思いがしました。この日から、私とエールビールの二人三脚の日々というか、とても豊かで楽しい日々が始まった気がします。

ビールはとても奥深くて、幅が広い飲み物です。フレンチのフルコースの一皿ずつにも、完璧に合わせられるほど、その選択肢は多彩です。当店がご紹介する1本ずつを通して、皆さんにもそんな豊かで素敵なビールとの日々が始まると良いな、と思います。ぜひお手に取って頂き、文字通り酔いしれて頂ければ幸いです。