天然酵母&無濾過♪ホワイトセージとレモングラス香るハーブビール
【店主の実飲レビュー】
香りはほのかにセゾン。田舎を連想させる、古びた木のような香りが鼻をくすぐります。一口飲むと渋み、苦みとかすかな酸味が溶け合ってものすごく複雑な味わいを演出。後味に少しだけハーブを感じます。このビールは食事と合わせると化けます。牛肉、トマト、奈良漬、キムチ炒めなどあらゆる料理やおつまみを助ける助演賞。7.2%とは思えない飲みやすさ!
【店主より】
日本初上陸となった「クルケットステイブ」の無濾過ビールが当店にも到着です!「セゾン」というベルギーの農家の方が夏にゴクゴクーっと飲む軽やかでフルーティなビールを野生酵母で醸造し、ホワイトセージやレモングラスといったハーブでアクセントをつけた「野性的」な一本です!
アルコール:7.2%
IBU(苦さの基準):
種類:ブレッタセゾン
容量:355ml
生産地:アメリカ コロラド州
【インポーターより】
フレッシュなホワイトセージとレモングラスを使って造られたBrett Saison。Crooked Staveの拠点であるコロラドの山へ敬意を払い、全ての材料が地元コロラドのものを使用し、このビールを飲む全ての人々に “コロラド” を感じさせてくれます。無濾過で野生的な仕上がり。
☆ブリュワリー情報☆
Crooked Stave Artisan Beer Project
クルケッド・ステイブ・アルティザン・ビア・プロジェクト
創業:2010年
創業者:Chad Yakobson (チャド・ヤコブソン)
拠点:Colorado(コロラド)州・Denver (デンバー)
創立者であるChad Yakobson はコロラド州出身。コロラド州立大学でバクテリア・サイエンスの学士号を取得後、ニュージーランドにて大学院生としてワイン・メイキングの研究、ロンドンにてアシスタント・ブリュワー、さらにはスコットランド・エディンバラにあるヘリオット・ワット大学で醸造と蒸留の修士号を取得するなど、国を越えて探究心溢れる人物。彼は、特にブレタノマイセスについて深く研究し、従来では完全な発酵が不可能であった事に気付き、ビールに微妙なニュアンスと柔らかさを加えるブレタノマイセスについての論説を書き上げるほどの、ブレタノマイセスの専門家である。
そんな彼が、コロラド州に匠によるビールプロジェクト施設、”Artisan Beer Project” として創立したのがCrooked Stave Artisan Beer Projectである。
コロラド州にあるブリュワリー約350社のうち、半分以上に当たる150社がデンバーに集中している。デンバーにはアメリカのビール業界を司るBrewers Associationの本部があり、チケットが毎年争奪戦になるアメリカ最大のビールイベント「Great American Beer Festival」が開かれる期間中は、街中にクラフトビールがあふれる。
そんなクラフトビールの聖地に拠点を置くCrooked Staveの名称の由来は、ビールを熟成させるのに使う木樽から。 “Crooked” とは “湾曲・歪み” という意味を持つ英語で、“Stave”とは樽に使われている強い羽根板。羽根板は乾くと形が歪み、隙間が出来て中身が漏れてしまうが、複雑なアート、化学的バレルエイジングの世界に魅了されたブリュワーであるChadは、“自分たちはこの業界での ‘Crooked Stave’ であり、他とは全く違い、ぴったりと合わない” と言い、Crooked Staveというブリュワリー名は唯一無二のこのブリュワリーに適名であると言える。さらには、ブレタノマイセス、ワイルド、サワーエール、そしてバレルエイジドビールに強くこだわる彼らにとって、最も重要で欠かせない存在である木樽を表す “Crooked Stave” をブリュワリー名とすることは、ここで造られるビールへの愛、そしていかに樽を重要視して醸造をしているかを表現している。
また、Breweryでなく“Artisan Beer Project” と呼んでいる理由は、Crooked Staveで造られるすべてのビールには芸術的要素が含まれているべきであると信じている事から。彼らの醸造への革新的なアプローチはクリエイティビティとパッションを通じたサイエンスでありアートなのである。素晴らしいアートと同じように、中身から外見まで、彼らのすべてのビールはインスピレーションから生まれている。
Chadが造るビールは今までになかったような新しいもので、ラガーでもなければエールでもない。彼の造るスタイルを納得のいくように説明しようとすると、何章にも渡って長文を作成しなければならない、と言われているほど複雑なのだ。その複雑な味わいの理由は木樽の他に、発酵にもある。100% 野生酵母のブレタノマイセスを使い発酵させてビールを造っており、野生酵母とバクテリアを使い造られるビールを、Chadは新しいカテゴリーとして “Wilds”と呼んでいる。そして、Crooked Staveが唯一無二の存在になる最大の要素と言えるのが、全ての醸造においてクールシップ(注)とオープンファーメンテーションを採用していることである。
当然のことながら、原料にもこだわりを持っている。もともと創立当初は地元の蒸留所から提供されるコロラド産の大麦麦芽を使用していたが、ブリュワリーでのビール生産量が増えるにつれその蒸留所で使う量がなくなってしまうほどの大麦麦芽が必要になったため、農家にかけあってCrooked Staveのために特別に育ててもらうまでになった。その他、ほぼ全ての他の材料も地元コロラド産、地元で手に入る最高品質の材料を使用し、昨今のブリュワリーではフルーツビール等に濃縮ジュースやピューレの使用が見受けられるが、品質と材料にこだわるCrooked Staveでは新鮮なフルーツをそのまま使っているという点も注目してもらいたい。
高品質のビール造りにフォーカスしながら自分たちの情熱と創造性に従い、化学と芸術をうまくブレンドさせながら常に進歩を続ける事を目標としているCrooked Stave。オープンな環境でアイディアをシェアしあうことで革新を続け、こだわり抜いた材料と磨かれた技術で高品質なビールを造りあげている。
注)クールシップ
煮沸させた麦汁を冷やすための蓋のない冷却槽。熱い麦汁を広い容器に移し、自然の空気で数時間かけてゆっくり冷ます、という伝統的な方法だが、時間や手間がかかるだけでなく、自然に触れているため菌汚染のリスクもある。寒冷な気候、清潔な環境、広い敷地が必要なため、現代でこの方法を使っているブリュワリーはほとんどない。